・なぜコーヒーを飲むと時間が早くなり、アルツハイマー病では遅くなるのか
私は遅刻魔だと書きましたが、他にも欠点があります。私はコーヒー飲みで、マリファナ吸いです。だから納得してしまったのですが、どちらの成分も体内時計のスピードに影響するのだそうです。
体内時計のスピードが変わると、記憶にも影響が出ることがわかっています。カフェイン摂取によって、体内時計は早く進みます。仮に、脳は60秒を60パルスと記憶しているとして、カフェインを摂取すると100パルスになります。
この結果ふたつのことが起こります。ひとつは、時間記憶を取り出すとき、その時間は60秒より短く感じられます。つまり、時計が早く進むということは、時
間が早く過ぎるということになります。ふたつめに、記憶がより細かくなります。1分間に100パルスを保存する、ということは1秒あたりに保存されるデー
タが増えるということになります。つまり、コーヒーや他の刺激物によって、記憶が増えていきます。逆に、ハロペリドールのような抗精神病薬は体内時計を遅
くし、1分をより長く感じさせます。

カフェインとハロペリドールは、主に脳のドーパミンシステムを混乱させることで、体内時計に影響を与えています。が、
記憶を操作することで時間を歪めることもできてしまいます。脳のアセチルコリンシステムは、時間ベースの記憶の保存のされ方を規定しています。アルツハイ
マー病における記憶喪失の主要原因のひとつは、記憶保存に必要なアセチルコリンが不足することであることがわかってきました。アルツハイマー病にかかった
人においても、体内時計は正常に動いています。が、体内時計から来る記憶を保存するスピードが遅くなってしまうのです。そのため、アルツハイマー病にかか
ると、物事に必要な時間を判断するのが困難になってくるのです。またそれは、記憶が曖昧になってしまう原因でもあるのです。
アルツハイマー病での記憶喪失に対しては、脳の中のアセチルコリンを増加させるサプリメントによる治療がよく行われています。このサプリメントを使 うと、どんな人でも記憶能力を高めることができ、なおかつドーパミンシステムに影響しないため、カフェインのように体内時計を早めてしまうこともないので す。体内時計を早めることなく、時間の記憶を増加させられるのです。
一方、マリファナが面白いのは、ドーパミンシステムとアセチルコリンシステムの両方に働きかける数少ない薬物であることです。前者の働きを早め、後者の働きは遅くします。そのため、マリファナで恍惚状態になると、心臓はどきどきするのですが、記憶は悪くなります。
コーヒーや他の刺激物によって、記憶が増えていきます。逆に、ハロペリドールのような抗精神病薬は体内時計を遅 くし、1分をより長く感じさせます。